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Re: XLogic Alpha Channel

 投稿者:mode-id@管理者  投稿日:2007年12月31日(月)03時48分11秒
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  > No.1140[元記事へ]

マニ夫さんへのお返事です。

> 私は今、Solid sate logicのAlpha channelという製品に興味を持つものです。
> Solid State Logicの製品をご使用になったことがありましたら印象等をお聴かせ戴ければ幸いです。
> XLogic Alpha VHD Pre や XLogic Alpha Channelについての良い点、悪い点等をお聴きできれば尚うれしいです。

久々にSSLというハイエンドメーカーについてのご質問なので張り切ってしまいそうです。(笑)
皆さんご存知のように(知らない方にも…)、SSLとはプロレコーディングスタジオに必ず有るとも言えそうなくらいのハイエンドアナログコンソールを製造しているメーカーで、NEVEと並びアナログコンソールの最高峰メーカーです。
ここで、ご質問のSSL製品のお話しに行く前に、アナログアウンドについて1つだけ。
皆さんの中にはアナログ=ファットで太いと思われている方がいらっしゃいますが、アナログ機器はハイエンドになればなるほどS/N比が向上し、高品位なパーツのお陰で「ハイファイ」なサウンドになります。
いわば粘るような重く分厚いサウンドではなく、高級なアナログってクッキリハッキリのハイファイサウンドなんですよ。(^^;
でも、アナログ回路というのはコンデンサーに電流が流れ、回路が動き始めると、どんどんパーツが馴染んで行き、角が取れ、味わいが出て来ます。これを総称して「回路が枯れる」なんて言う事も有ります。
枯れるというと悪い意味に捉えられそうですが、枯れる=馴染んで安定する事を意味します。
そうなって来るとハイファイでクリアなサウンドに個性的なプッシュ感やパンチ力、耳障りの良い艶や前に出て来るエッジ感が顕著になります。
それが「理論上、変化しないデジタル機器」とは違いアナログ特有のサウンドへと繋がって行く訳です。

で、SSLですが、明らかにハイファイなアナログの部類に入ります。クリーンでヌケが良くて、手に取るようなサウンドイメージが出来ます。
真空管を使った安いマイクプリなんぞを「アナログのファット感」だと思っていらっしゃる方が聞けば肩すかしを喰らうくらいクリアーなサウンドでハイファイです。
良く「ベールを一枚はぎ取ったような」と表現しますが、2~3万の真空管マイクプリとSSLを比べたら「遮光カーテンを締めた状態」と「窓を開け放った状態」ほど違います。(笑)
しかしSSLがプロに愛される理由は、クリーンでハイファイなだけではなく、音が前に出て来るパンチの効いたサウンドにもあります。
安いアナログコンソールと違って、ただハイファイなだけでなく、存在感がちゃんと前に出て来る感じなので、音が手に取るように分かり、これしかない!という感じなんです。分かりにくいかもしれませんが。(笑)
SSLのコンソールでミックスすると、今までの作品を全部SSLでやり直したくなります。(爆)

さて、これらの事柄を踏まえた上でご質問のXLogic Alpha VHD Pre や XLogic Alpha Channelについてですが…
XLogicはSSLがコンシューマー向けにもSSLサウンドを届けたいと送り出したローコストシリーズのLogicシリーズの更なるローコスト版。
SSLの製品が20万円以下で買えるなんて、良い世の中になったもんです。(笑)
先ずはAlpha Channel。
使った感じは、高価な機材に慣れた人にはそれほど変化が感じられないかも?っていうくらい素直でストレートクリーンってイメージです。>それほど低価格なのに良く出来ているという事です。
ただ、フロントにあるインプットが「ラックにマウントして、パッチング等で結線しっぱなしで使いたい」って人には邪魔かも?とも思えますし、アナログアウトプットがバランスではありますがTRSのフォーンジャックというのも少々残念です。
せめてバランスキャノンアウトが欲しかったかも?(^^;
勿論、SSLのサウンドが手に入るのなら、この程度の事はネックではありませんけどね。(^^)
そして多分、XLogicシリーズが気になっている人の殆どがVHDコントロールを気にしていると思うんですが、これも劇的にサウンドが変化するって妄想してませんか?そんな訳じゃありませんし、そんなに劇的に変化するんじゃもはやEQですから。(笑)>勿論、そういう使い方も出来ますが。
いわゆる2次倍音~3次倍音を付加する機能なのですが、2次倍音は偶数倍音なので滑らかに膨らみ、3次倍音は奇数倍音なのでキラビヤカになって行きます。
その間を無段階調整するような機能です。
ですが、単体で聞くとさほど大きな変化が無いように思えるんですが、オケの中での存在感が格段に違います。
歪んだギターの歪み具合の都合(倍音成分の分布構造のせい)で前に出て来ないようなサウンドをスピーカーに張り付くような音にしたり、クリーンなアコギソコを際立たせたり、シルキーなボーカルをキリっと一歩前に押し出してくれます。
VHDの効果を顕著に引き出したい場合は、アウトプットを絞り気味にし、インプットゲインを大きくとって突っ込ませると良いでしょう。
キックに使ってみても、存在感が出て来るので、全てのトラックに使ってみたくなりますよ。(^^)>ただ、使い方次第なので過度に期待しない事!思った事を勝手に叶えてくれる万能のアナログ機材なんて無いですから。(笑)
勿論、EQ調整も込みでの話ですが。
で、そのEQは、さすがにSSLのコンソ-ルと比べてしまうと甘めですが、逆に思い切った調整が出来るとも言えます。
ローコストな機材と比べて効きが甘いという訳ではないので、積極的にいじりましょう。って感じです。(^^)
最終段に入っているリミッターは、結構ハードリミッターに使え、リズム系をしっかり潰す事も可能です。
それらを組み合わせると存在感があり、前に出て来るサウンドなのにクリアーなイメージ、それがAlpha Channelですね。
あと、重宝するのがセンドリターンのルーティングスイッチです。SSLのコンソールではおなじみですが、これ非常に便利です。(^^)
例えばAlpha ChannelのセンドリターンにUREIの1176を接続していたとして、EQの前に1176を置くのか、EQの後に置くのか、はたまたセンドリターンの両方をサミング=ミックスするのかを選択出来るのはとっても良い機能です。
1176で音作りをし、EQ調整した方が良い場合や、EQ調整して音作りした物を1176でレベリングしたい場合、元音と混ぜる事でアタック感を残した状態でサウンドメイクしたい場合など、瞬時に切り替えられてとても有利です。>スタジオではこういう場合「結線しなおすからちょっと待って?」などとプレイを中断させる事はテンションも下げますし、余り良い方向には行きません。瞬時に出来る事の良さは想像以上なんですよ?(^^)
Alpha Channelは、いわゆる1ch分のチェンネルストリップですから他のchトラックにも使い回したいとか、1台のルーティングを結線し直さずに切り替えて使えるのは便利だし、切り替える事でベストな調整に瞬時に移行出来るのは有利です。

あと、デジタルアウトが「デジタルインの入力クロックに追従するタイプ」なので注意が必要です。
何も入力しないと44.1KHzで出力するようなので、それ以上の周波数を使いたい場合はデジタルインに48KHzとかのデジタルクロックを入れてやらないと切り替わりません。
(Alpha Channelは44.1KHzしかデジタル出力しないと勘違いしている方も多いようですが、192KHzは無理なのですが、48KHzとかは出せます。)

トータル的にAlpha Channelは、当たり前の音を当たり前に出すチャンネルストリップだと思います。
この当たり前の音を当たり前に出す事が難しいんですけどね。それだけ優秀だと言う事です。

続いてAlpha VHD Preについて。
これは使った事が無いので、私が持っている情報からの判断で申し訳ないのですが…
基本的にVHDの回路はAlpha Channelと同じか同等だと思われます。
サウンドはヌケが良くハイファイで全体の帯域のノビが出ます。特にハイエンドのノビが良いので、奇麗に響かせたい女性ボーカルやアコギ等に向いているように思えます。
若干、中域のアタック感のファットさが乏しいようなので、ピアノ等の音を前に出すにはEQ処理が必要なようです。
ただ、せっかく4chもマイクプリが搭載されている訳ですから、ただマイクを複数立てる時のマイクプリだけに使わずに、DAWのアウトを4ch分で繋いでミックスバッファーに使うのが面白いかも?と思いました。
ミックスバッファーにしてVHDでサウンド調整し、DAWに戻すという「アナログ回路のミックスバッファーでDAWの硬質で平面的なサウンドに奥行き感を低価格で出す」には最適かなとも思いますね。(^^)

しかし欠点が有ります。個人的には、マイクプリとして最大の欠点だと思うのですが‥
位相反転スイッチが有りません。(^^;
複数のマイクを使えば位相が狂う場面も有る訳なんですが、それを反転させる事が出来ないんですよね。(^^;
まぁDAW内部で反転させるとか、別途機材で反転させる事も出来ますが、それとて本末転倒だし。(^^;
それとミュートスイッチが欲しいなぁとも思えます。
こういうマイクプリは複数のマイクを扱える訳ですから、「違うマイクを試してみよう!」と思い立った場合、マイクを変えたり結線し直した場合に、いちいち他の接続機器に気を配りながら電源を落としたり外部機器の入出力も落としたりしなければいけません。
サウンドは基本的にAlpha Channelを踏襲していると思いますが、若干その辺が扱い辛い場面が出て来るかも?と思えます。(^^;

結論。
Alpha Channelは、マイクプリ部以外にもEQとリミッターを搭載している事がポイントで、幅広いサウンドメイク、トップクラスのハイファイサウンドと存在感をお手軽な手の届く価格で入手出来る良さが有り、Alpha VHD PreはEQは無いがハイファイなヌケの良いノビの有るサウンドを一度に複数ch用意したい人向きでしょう。
個人的にどちらが欲しいか?と問われればAlpha Channelですね。この価格でSSLサウンドが手に入るのですから、複数ch買ってしまうのもアリですからね。(^^)

まぁこれは個人的な感覚なので、私が示す方向性とは違う感想を持つ方も多いかもしれません。
私だけの意見に捕われず、広い視野で色々な角度から観て、ご自分の環境に最適なチョイスをして観てください。
惚れ込んで使い倒す機材は、価格やカタログスペックでは判断出来ない存在感を示してくれますからね。
ご自分のチョイスを自分のスキルで「最高の結果」に導けば良い訳ですから。(^^)
 
 
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